1万個単位まではいかないが、試作品よりは多く作りたい。
大量生産といえば金型成型ですが、これはロットの大きい、1万個単位の世界です。一方、試作やモデル作成事業者の場合は、一個一個の世界。時間やコストがかかってしまいます。「NC加工」による切削ならば、利用パターンに応じた対応が可能です。また、企画や計画段階で、個数や形状の変更がフレキシブルにできるというメリットもあります。
プラスチック加工をお考えの際は、金型成型、試作、切削の3種から、ニーズに合った方法を選ぶのがベストです。
●大量生産に適した成型加工
- 成型加工とは、あらかじめ作った金型に、樹脂を流し込んで作る加工法。
- 成型では、あらゆる形状のもの、複雑な形状のものが作れます。金型があるため、大量生産に向いています。
- 金型を作るための試作モデルを作る必要があり、ある程度の量も必要なため、時間とコストがかかります。金型も大きければ大きいほど高くなります。
- 一度金型が完成すると、調整や変更が容易にできないため、生産数がきちんと決まっていないと発注しにくくなります。
●生産量が少ないときの試作品
- 試作とは、商品開発の過程で1~10個程度の実物が必要なときに、金型なしで量産品と同等の製品を作ることです。
- 非常に少ない個数しか生産しないときは、金型を作らず試作モデルで対応することもできますが、モデル製作は1個単位。スピーディで融通はききますが、効率が悪くコストパフォーマンスが低くなります。
- 金型を作るほどでもない個数でも、試作モデルでの対応には多すぎる場合もあります。
●さまざまな応用がきく切削加工
- 切削加工とは、プラスチック素材をカットしたり、孔を開けたり、削ったり、型を抜いたりして、プラスチック製品・部品を作る加工法。
- 切削加工はさまざまな応用がきくため、個性的でこだわりのある製品が可能です。
- 数値制御(NC)による多軸機械加工ができます。
- 成型する場合のような金型が不要なので、時間もコストも抑えられるうえ、生産数量の調整もききやすいメリットがあります。数量的に試作(10~100個単位)のレベルは超えるが、金型を作る(1万~10万個単位)ほどでもない場合には、切削加工が適しているといえます。
- あらかじめ設定された寸法で複数個を作成するため、品質管理が容易です。